​片山真優さん

2019年7月

(保育士・幼稚園教諭​)

一般幼稚園研修レポート編

私が研修に伺わせていただいた時期は、ちょうどたくさんのご家庭が休暇を取っている時だったので園児さんの数はいつもの4分の1程でした。私は、2歳半以上のクラス+4歳以上のクラスの混合クラスに入らせていただきました。

- 1日の流れ -

9:10~ 朝のショートサークルタイム(朝のお歌・今日のメンバーを確認など)
★サークルタイム前は、サークルタイムがスタートすると気付いた子が自らマットを床に並べていました。終わった後も同様に、数名の子どもたちがマットを自ら片付ける姿が見受けられました。

9:20~朝のスナックタイム(パンやフルーツ)
★何人かの子どもたちが進んでテーブルセッティングのお手伝いをしていました。
★先生方は、子どもたちを急かすことなく皆んなが会話を楽しみながらゆったりとした時間を過ごしていました。
★スナックを食べ終わった後、子どもたちは自由に席を立ちお手洗いに行ったり、おもちゃで遊んだりしていました。
自由な空間を感じました。

​研修先の一般幼稚園園内

9:30~お手洗いタイム(全員がお手洗いを済ます)

9:40~広い園庭での外遊び(2歳半前の子どもたちと合同)
★先生方は基本的に子どもたちを見守るスタイルを保ち、必要な時にだけ手を差し伸べたり声かけをしていました。
★子どもたちは、のびのびとそれぞれが自分のしたい遊びを楽しみ、しっかりと外遊びの時間を設けているからでしょうか、乳児さんクラスの子どもたちも身体能力が高いように感じました。
★私が訪れた時のテーマが、
Getting to know our playground!(私達の遊び場について学ぼう!)だったので色んなお外遊びの環境が構成されていました。例:以前のテーマであった水を使っての遊具のお手入れ(ブラシやスポンジを使って自分の使ったバイクやストライダー等を洗っていました)、お花やハーブへの水やり、水遊びコーナー、ストライダーや三輪車、サーキット運動
★子どもたちが活動を理解する流れ? (1)先生がどの場所がどの様な活動の為に設けられているのかを説明 (2)実際に子どもたちがその活動を体験 (3)先生の誘導なしに自ら活動を行う

11:00~ランチの準備(2歳半までの子どもたちは2歳半以上の子どもたちより15分程前に園内へ)
ヘルプをしたい子が進んで人数分の食器をキャリーに乗せ先生と一緒に運んでいました。テーブルのセットアップも同様にヘルプをしたい子が自ら行なっていました。
★お水は子どもサイズのピッチャーに入れられ、子どもたちがお互いに水を注いだりしていました。

11:20~ランチタイム(
ランチ前のコトバ(※静かにし、みんなで食べる準備をしましょう…)を言い、ランチがスタート)
★好きなものを好きなだけ食べるスタイルで、自ら取ったものは責任を持って食べるという方針でした。
無理をして食べさせることはせず、ランチやスナックはどの子も何かしら必ず食べられるモノがあるように考えられていました。偏食をなおしたり、嫌いなモノを食べられるようにするのは、それぞれの家庭での仕事と先生方は線引きをされていました。
★マナーはしっかりと教えるというよりも、子どもたちが先生や年上の子どもたちを見て学ぶというスタイルでした。
★ランチ後はそれぞれ片付けをし、自由に室内遊びに移っていました。
★ランチ後の片付けも、気付いた子が自ら先生のヘルプをしていました。
★普段、4歳児さん以上のクラスではランチの用意やお片づけの当番があるようです。

12:00~お昼寝/外遊び(お昼寝は大体3歳くらいまで)

13:45~お昼寝をしていた子たちがだんだんと起き、外遊びに加わる

14:15~カフェタイム
★カフェタイムの流れ (1)外に置かれたボールに入れられた
スティックを持って室内に入り、室内に置かれたボールにスティックを入れる(先生が何人カフェタイムに入っているかを確認) (2)好きなパン・ヨーグルト・フルーツなどを取り、席に着いて自由におやつを食べる (3)片付けをし、スティックを外に置かれたボールに戻してから自由遊び
★テーブルにはテーブルクロスが敷かれ、真ん中にはナプキンが置かれていてまさにカフェの様でした。
★子どもたちは、
クラシックミュージックを聴きながらカフェタイムを楽しんでいました。
★カフェ文化のあるデンマーク、大人がカフェを利用する様に子どもたちは自由にカフェルームを出入りしていました。ある程度の時間のくくりはありますが、好きな時にカフェタイムを楽しみ、おやつを済ましたらカフェルームから出て行く姿はまるで大人の様
でした。
★カフェタイムに保護者の方が来た場合は、子どもたちの時間を尊重しお部屋には入らないように決められていました。

14:45~室内もしくは外遊び

- 幼稚園の特徴 -

・とにかく自由。
・自由な環境の中で自主性を伸ばしている。
・子どもたち同士のコミュニケーションを大切にし、基本的には見守るスタイル。
・"遊ぶ"時間を多く設けている。遊びから学ぶものは計り知れないという考えがある。
・子どもは子どもから学ぶことがたくさんあると考えられている。
・ルールや規定があまりない。
・個人の尊重を大切に自己責任感を小さな頃から身につけられる環境になっている。
・先生は、活動の環境づくりをするのであって、1から10まで子どもたちに付き添わない。
・17の項目からなる
UNのThe Global Goalsの基盤をつくれるような環境を構成している。

・五感をつかった学びを大切にしている。
・ランチやスナックの食材は
オーガニックの物を使用し、お砂糖は使用しない主義。
・オープンキッチンがあり、子どもたちは食材を見たり料理の際のにおいをかぐことができ、食育に繋がっている。
・先生同士の仲がとてもよく、会話も多い。他のクラスとの連携もしっかりと取れている。
・先生方の子どもたちへの声かけがとても穏やか。何か子どもたちが間違ったことをしても、大きな声を出して叱ったりすることはなく、子どもたちに質問を投げかけるような声かけをしている。(それはしてはいけません!ではなく、何のためにそれをしているの?お友だちはどんな気持ちだと思う?など)
・園長先生と子どもたちや先生方の距離がとても近く、アットホームな雰囲気がある。

- ​普段の活動の進め方 -

・その時々にテーマがありそのテーマに沿って活動が行われる。テーマは、年によって変わるようで今年は自然に関するものや五感がテーマになっていた。
・先生方は、テーマに縛られるというよりもテーマに沿った活動をする中で子どもたちの興味関心を引き出し、テーマと子どもたちの興味関心を繋げていくスタイルでカリキュラムを構成している。
・普段2歳半~4歳までのクラスでは、主の先生が2人とヘルプの先生が1人入っていて何か活動を行う時は2グループに分け主の先生がそれぞれのグループにつき、ヘルプの先生がお手洗いに行きたい子に付き添う。
・活動後は、活動内容や活動を通しての子どもたちの学びや反応についての先生同士の振り返りミーティングが行われている。

- 個人記録のつけ方 -

・個性、社会性、自然、文化、身体、言語の6点に焦点を置き、どのような活動中にどんなシチュエーションでその子がどのスキルを伸ばしていたのか等をiPadを使って事細かに記録し写真にも収められている。(基本的にその日のFocus Childrenについて)
・毎日Focus Childrenが2人決められ 、その子どもたちについての記録を先生が残していた。Focus Childrenでなくても何か新しい発見や成長が見られたら随時記録している。
・それぞれの個人記録がしっかりとデータ管理されており、個性、社会性、自然、文化、身体、言語の6点についてどのように成長しているのかをいつも把握できるようになっており、保護者さんとのミーティングの際にもデータを確認して何が得意でどのスキルがチャレンジパートなのかを話すようになっている。

- 私がデンマークの一般園で学んだこと・感じたこと -

子どもたちはとても自然体で、それぞれ自由に遊びや活動を楽しんでいました。進んで先生を手伝う姿や年下の子を手助けする姿が印象的で、先生の声かけがなくても自主的に動けているように感じました。日々ゆったりとした時間が流れ、先生は子どもたちを急かすことは一切せず子どもたちの意思を尊重されていました。先生方は、子どもたちをとてもよく観察されていて1日の中でも何度も子どもたちの成長や発見に気づかれていました。


最後の2日間は、書道をしたりお好み焼きを作ったりと日本をシェアする時間を設けさせていただきました。書道の時間は、月齢の低い子たちも集中をし取り組めていて先生方も驚くほどでした。

休暇の時期で少人数だったからこそ、園長先生や先生方とたくさんお話ができ貴重な学びの時間となりました。大人が手をかけすぎるのではなく、子どもたちがそれぞれの個性を大切に、社交性を育みながらも将来しっかりと自分の意思を持って行動できるようになるための土台作りができる環境を整えることが園として大切なのだと学びました。

 

これからも保育の現場に立つ身として、急ぎ足で保育・教育をするのではなく、ゆっくりとしたペースの中でたくさん自由遊びの時間を設け、子どもたちの個性・想像力・興味関心を引き出す環境作りを心掛けたいと思います。

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