
熊倉明日香さん
(大学生)
2026年3月参加
デンマーク研修体験レポート

静かで美しく、そして温かい街と人という印象を持ちました。
どこへ行っても落ち着いた雰囲気があり、とても過ごしやすく感じました。街の至る所にゴミ箱が設置されているため、全体的に清潔に保たれており、綺麗な景観が印象的でした。また、歴史的建造物や街並みもとても美しく、市外の住宅地では高い建物が多くないため、窮屈さを感じることなく、開放的な空間が広がっていました。さらに、木々や花、動物など自然を身近に感じることができ、空気の心地よさも強く印象に残っています。
また、人との距離感がとても心地よいと感じました。過度に干渉されることはなく、必要な時に自然と手を差し伸べてくれる、そのバランスがとても魅力的でした。実際に、一人で行動している際に困っている様子を見せると、親切に声をかけてくださる方が多く、その優しさに触れて嬉しく感じました。さらに、大切な人を大切にする気持ちを素直に表現する姿にも、人の温かさを感じ、心が温まる場面が多くありました。

もちろん、教育的な視点から必要な力を育てるために、工夫された関わりや活動はありましたが、最終的に行動するのは子ども自身であり、その結果に関わらず、「やってみようとしたこと」や「活動に参加しようとしたこと」に価値が置かれているように感じました。
日本でそのまま実践することは難しい部分もあると感じますが、子どもたちを適度に見守りながら、選択する機会を多く提供することは、日本の保育にも活かせるのではないかと考えました。
また、見守る保育であるからこそ、職員同士の対話がとても多いことも印象的でした。デンマークでは自分の意見を持ち、それを相手に伝えることが大切にされていると知り、立場に関係なく誰もが意見を共有できる、働きやすい環境が整っていると感じました。さらに、子どもたちとはデンマーク語でコミュニケーションをとる必要がありましたが、言葉が全ては理解できない私のことを、子どもたちは受け入れてくれ、一緒に遊んでくれました。なぜここまで自然に受け入れてくれるのか不思議に感じるほどでしたが、とても嬉しく、心に残る経験となりました。

ホームステイ
2つのファミリーにお世話になりました。
どちらのファミリーも、私が過ごしやすいように気を遣い、温かく寄り添ってくださり、とても嬉しく思いました。夜ご飯にはデンマークの伝統的な料理を振る舞ってくださり、家庭的な文化にも触れることができました。
1つ目のファミリーは現地コーディネーターの方のご家族で、まさかデンマークで日本料理をいただけるとは思っておらず、心身ともにほっとする時間となりました。日本の文化に触れられる環境のおかげで安心して過ごすことができただけでなく、娘さんにはおすすめの観光地を教えていただいたり、日本語だからこそできる深いお話もでき、とても楽しかったです。

「今回の滞在を一言で表すと、”挑戦」
総括
大学入学当初は、海外の保育現場に参加することは想像もしておらず、一人で未知の国へ渡航することに加え、現地の保育現場に参加することは、私にとって大きな挑戦でした。
この二週間で、保育・教育に関して新たな視野を広げることができただけでなく、人としてもステップアップすることができた期間であったと感じています。誰もができる経験ではないからこそ、この経験を今後の自分自身や、将来の保育現場においてできる限り還元し、活かしていきたいと考えています。
温かい街や人々などに囲まれた環境の中で過ごすことができ、とても良い経験となりました。デンマークという国を選んでよかったと感じています。貴重な経験をさせていただき、ありがとうございました。
※本ページの写真はすべて参加者の方が撮影されたものです
森の幼稚園研修・一般幼稚園
1週目に森の幼稚園、2週目に一般の幼稚園へ、それぞれ5日間ずつ通いました。
全体的な感想として、子どもたちにとって自由に選択できる環境が整っており、主体的に失敗から学ぶことができる場であると感じました。また、大人の役割は必要なときに手を差し伸べる存在であり、時には見守ることの大切さを実感することができました。
私はまだ学生ですが、日本の保育現場では子どもと積極的に関わることが求められ、見守るよりも介入することの方が評価される傾向があると感じています。また、危険が予測される場面やトラブルになりそうな場面では、事前に規制する関わりも多く見受けられます。このような環境で学んできたこともあり、私は「気をつけてね」という意味のデンマーク語「Pas på」を子どもたちに多く使ってしまいました。しかし、現地の先生方の関わりを見ていると、そのような言葉をあまり耳にすることはなく、実際に質問してみても「ダメ」という言葉はほとんど使わないとおっしゃっていました。日本では注意されることが多い場面でも、「それでもいいんだよ」と、子どもたちがやりたいように過ごせる空間が広がっていることが印象的でした。

幼稚園の中で特に思い出に残っている出来事は、森の幼稚園で行われた鶏の解剖です。初めて動物の解剖を子どもたちと一緒に目の前で見て、大きな衝撃を受けました。この鶏は養殖から子どもたちが成長を見届けてきたとお聞きし、子どもたちが食肉の生産過程を自然に知り理解することや、動物の体の仕組みを知ることで人間の体への理解にもつなげていくことなど、さまざまなねらいがあることを知り、その意義について納得することができました。
ここには書ききれないほど多くの新しい発見にあふれた毎日でしたが、無事に最後までやり遂げることができ、とても充実した経験になりました。

2つ目のファミリーでは英語での会話が中心でしたが、私の拙い英語を理解しようと親身に接してくださり、時には翻訳機も使いながら深いお話ができるよう工夫してくださったことに、心から感謝しています。
また、どちらのファミリーも私の保育ボランティアの様子を気にかけてくださり、毎日「どうだった?」と声をかけてくださったおかげで、大変なことも乗り越えることができました。
短い間ではありましたが、家族の一員のように温かく迎え入れていただき、寂しさを感じることなく、幸せな2週間を過ごすことができました。このご縁を、これからも大切にしていきたいと思います。
観光
週末はコペンハーゲンの観光に加え、ルイジアナ美術館にも行きました。また、2週目の一般幼稚園はコペンハーゲンへのアクセスが良い場所にあったため、体力のある日は幼稚園の後に市内へ出かけることも多くありました。
ホストファミリーの方が、有名な観光地からご家族のお気に入りスポットまで幅広く教えてくださり、連れて行ってくださいました。
中でも、アマリエンボー宮殿の衛兵交代式や、ニューハウンから出ているキャナルツアー、そしてデンマークの伝統料理であるスモーブローなど、デンマークを代表する文化に数多く触れることができ、とても印象に残っています。
その他にも、デンマーク国立美術館やThe Happiness Museum、クリスチャンスボー城など、を訪れました。美術館は人が多い場所もありましたが、全体として落ち着いた雰囲気があり、一人でも周囲を気にすることなく、自分の時間を有意義に楽しむことができました。クリスチャンスボー城では、初めて城内に入る経験をし、その壮大さと美しさに大きな感動を覚えました。比較的人も少なく、ゆったりと鑑賞することができ、訪れてよかったと感じています。デンマークには、他にもお城がいくつかあるため、もう少し時間があればお城巡りもしてみたかったと感じています。
また、コペンハーゲンのフライングタイガー前にあるお花屋さんをおすすめしたいです。広場の一角にあり、屋外に露店のようにお花が並べられているスタイルで、通りかかるだけでもおしゃれで目を引くお店でした。お花の種類が豊富でどれも綺麗だったことはもちろんですが、店員の方がとてもフランクに話しかけてくださり、ユーモアのある会話を楽しむことができました。お花が好きな人にはぜひおすすめしたい場所です。

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